桐山の白いシャツを剥いでゆく。
今度は、ためらわずに。

充も、セックスに関する知識が、皆無という訳では無かった。
知っている限りの方法で、桐山に愛撫を加えていった。

首筋から胸元、それに下腹部へと。
順々に撫で回しながら、唇を押し付けた。

「ふっ…」

桐山が僅かに眉をしかめ、喘ぎ声を洩らす。
その声が充の耳をくすぐった。
「ボス…」
充は早くも我慢の限界まで来ていた。

目の前に居る半裸の桐山は、酷く淫らに映った。

「辛いか、充」

充の身体の下から、桐山が少し掠れた様な声で聞いた。

「あ…まだ平気だよ俺!」
少し声が上擦った。

桐山が特に表情を変えずに言った。
「先に、一度出しておいた方がいいな」
「え?」

充が聞き返す間も無く、桐山が今度は逆に充を押し倒した。
半裸の桐山にのしかかられて、充の鼓動が跳ね上がった。

「ボ…ボス…?」
「このまま、じっとしていろ、充」
桐山の手が充のベルトにかかった。
充は驚きのあまり、抵抗する事すら忘れた。

そのままベルトが解かれ、ズボンのチャックも下ろされる。

そこにある膨らみに、桐山の手がそっと触れた。
「…っ…」

充が眉を寄せてうめいた。
桐山はそのまま、充の下着の中から、熱を帯びた充自身を取り出すと、 少しだけそれを見つめたあと、そっと口に含んだ。

「ボ…ボス…!そんな…汚い…」

慌てて充は桐山の頭を押しのけようとしたが、与えられる快感のせいで、
上手く手に力が入らなかった。

桐山はそのまま充のものに丁寧に愛撫を加えた。

温かい口内に含んで、舌で転がしてやる。

初めて得る強烈な快感に、充の身体は素直に反応した。

「ん…」

桐山の頭を押さえた充の手に、ぐっと力が篭もった。

桐山の舌が、充の敏感な箇所を的確に捉えた。

「ボス…もう駄目だ…離れて」

充の息はひどく乱れていた。
充のものを手にしたまま、桐山は上目使いに充を見上げて、言った。

「このまま、出して構わない」
充は驚いた様に桐山を見つめる。

桐山はそんな充のそこに、再び顔を埋めた。
ぴちゃぴちゃと淫らな音が響いた。

その音に、また充はびくりと反応する。

「ボ…ボス…俺…もう!」

充は必死に桐山の頭を押しのけようとしたが、桐山は離してくれなかった。
もう、限界だ。

「…あっ…ボ…ボスっ…!」
充が悲鳴に似た声を洩らした。
そのまま充は、桐山の口の中で欲望を開放した。


桐山は充の出したものを、喉に絡めて飲み込んだ。

そうしたのは、初めての事ではなかったのだが、
喉に絡む感覚が、カルピスを飲んだあとに似ている、と桐山はふと思った。

味は全く異なっていたけれど。

「ボ…ボス…」
桐山は顔を上げた。

唇が濡れ光っている様に見えた。
桐山はその唇をペロリと舐めた。

酷く淫らな様子だった。

どうしよう…俺…俺…。
「充」

桐山はまたそっと充のものを手に包み込みながら、言った。
「まだ、堅いな」

少し手に力が篭もった。
「ふ…」



射精したばかりで敏感になっているそこを弄られて、充は思わず声を洩らした。
桐山の手の中で、また充のものが大きく、堅さを増していく。

「ボ……ボス…俺…」

「どうした、充」

全く顔色を変えていない桐山。

しかしその唇は、やはり濡れた様に光っている。
何だか汚してはいけないものを汚してしまった様な気がして、

充は少しやりきれない気持ちになる。

「お…俺もボスの事気持ちよくさせたい」
充の言葉に、桐山は僅かに眉を上げた。
「そうか?」

「うん。俺ばっか気持ちよくしてもらって、何か悪いから」
桐山は目を細めた。

「じゃあ、頼む」

桐山の言葉を合図に、充は桐山のベルトに手をかけた。

桐山は充のなすがままになっている。

充の手が止まった。
「ごめん…やっぱ、恥ずかしいや。ボスが…脱いでくれないかな」

充は顔を紅くして言った。

桐山は頷くと、自分のベルトに手をかけた。
ためらう事無くズボンを脱ぎ捨てる。

充も、今度は止めなかった。
しかしそこまで自分で脱がす勇気は、まだ無かった。
下着までも脱いだ。
一糸纏わぬ姿となった桐山が、そこに居た。

白い肌。
均整のとれた、芸術作品の様な身体。

充は少し目のやり場に困った。
桐山の方は恥らう様子を全く見せていなかったが。

やっぱり、ボスは、凄く、綺麗だ。

ためらいがちに、充は桐山の下半身へと視線を移した。

初めて見る桐山のそれは、充と同じ様に、既にかなりの高まりを見せていた。



「充?」



顔を紅くして見つめているだけの充に、桐山が声をかけた。

充ははっとした様に言った。

「ご、ごめん、ボス!なんかさ...凄え...綺麗だと思って...」

「?」



充は少し恥ずかしそうにしながら、桐山のものに手を伸ばした。

桐山の身体がびくりと震える。



「俺、よくやり方わかんないから...嫌だったら言ってくれよな」

「わかった」



桐山は目を閉じて言った。



充は、自分でする時を思い出しながら、そっと桐山のものに愛撫を加えていった。

強く握ったり緩めたりしながら、ゆるゆると扱いていく。

さすがに口にくわえる様な事にはまだ抵抗があったのだが。



「...ふ...っ...う...」

桐山が声を洩らす。

切なげに眉を寄せていた。

開きかけた唇から吐息が漏れ、裸の肩が上下した。



その桐山の様子に、充は背筋がぞくりとするのを感じた。

思わず手に力が篭もる。



「…っ」

充の手の中で、桐山のそれはまた堅さを増した。

色づいた尖端から雫が零れた。

充はその雫を塗りこめる様に、丁寧に、優しく、尖端を指で擦った。

先走りは後から後から零れた。
「み…みつ…る」

桐山の声は上擦っていて、いつもより、少し高かった。

桐山の腕が、充の頭をぎゅっと抱きしめた。

充はそのまま、愛撫の手を休めなかった。
「…っ…うっ…」
桐山がか細い声でうめいた。



充の手の中に、ひどく熱いものが放たれた。

夢中になっていた充は、その衝撃でやっと我に返る。
ぴちゃぴちゃと音を立てて、充の手の中から
桐山が出したものが零れ落ちた。
「ボス、大丈夫か?ごめん、俺、やりすぎた?」

肩で荒く息をする桐山に、充が心配そうに声をかける。

桐山は顔を上げた。
その頬が、興奮のためか、ほんのり紅く染まっていた。



「充…」



桐山は、今まで、きちんとした愛撫を受けた事はあまり無かった。
皆自分の快楽を満たす事で頭がいっぱいで、桐山が良かろうが悪かろうが、
そんな事はお構いなしだったからである。

つまり、桐山を、愛情を込めて抱いた者など、ただのひとりも居なかったのだ。
しかし、充は違った。
充はこの前はためらったものの、今度は桐山に、自分に出来る限り、精一杯の愛撫を加えた。例え稚拙な技巧であっても、その行為には気持ちが篭められていた。

それは充が、桐山の事を好きだからなのだが、桐山にはそんな充の気持ちはよくわからなかった。
ただ、気付いた。

充はやはり、他の者とは、違っていると。

「…充」

幾分、熱に浮かされた様に視線を彷徨わせながら、桐山が手を伸ばす。

その手が、充の首に、そっと、回った。

「ボス?」

「悪くなかった」
桐山の息は、まだ乱れていた。

充は、自分の愛撫を、悪くない、と言ってくれた桐山を、より一層

愛しく感じた。

桐山の背に手を回して抱きしめた。
桐山が自分の事をどう思っているのか、充はいつも不安に思っていた。
桐山は全く表情を変えてくれない。

一度だって、笑ってくれた事がない。

それが、ずっと充は気がかりだった。

だが、今は、違う。

桐山は充の愛撫に、素直に反応してくれた。

桐山の事を、ほんの少しでも理解できた様な気がして、充はそれがとても

嬉しかった。

充は、それで満足だった。



「ボス」

「なんだ?」

「あんま、無理しなくていいよ。俺、これで充分だよ」
「?」
「男に…さ、やられる…のって、やっぱり、きついんだろ?」

充は言いにくそうに視線を泳がせながら言った。

「俺、ボスが辛くなる様な事は、やりたくないから」
「………」

黙ってしまった桐山に、充は心配そうな目を向けた。

「ボス?」

桐山は充の首に手を回したまま、幾度か瞬きをしていた。

また、こめかみが疼いたのだ。

充の姿勢では、桐山がどんな顔をしているのかは見えなかったし、

桐山の心の中の微妙な変化を知る術も無かったのだが。
ただ、桐山は、そんな言葉をかけられたのは、初めてだった。

その様に、自分を気遣う言葉をかけられたのは。



何かが。

足りないと思っていた何かが、満たされていくのを感じる。



「充」

桐山は充の首に回していた手を、そっと離した。

そして、そのままその手を充の頬に当てて、また充に口付けた。

充の桐山を抱く手に、ぐっと力が篭もった。

「俺は大丈夫だ。だから」
唇を離した桐山が、充の目を見て静かに言った。

「お前のものが欲しい」

恥らう事無くそう言った桐山。

充は、まるで金縛りに遭った様に、動けなかった。

充の手の力が緩むと、桐山は、充の腕の中から離れて、

濡れたままの自分自身に手をやり、そのままその手を後ろ
へと伸ばした。



湿った、何かを掻き回す様な音が響いた。
その度に、桐山は切なげに眉を顰めた。

「充…」



掠れた様な桐山の声。
充は、もう我慢の限界まで来ていた。

桐山の様子に、一々反応してしまう。

桐山が、充の膝の上に座った。

熱く疼いている充のものを、桐山の濡れた白い指が、

そっと握った。

充のものの尖端も、先走りで濡れていた。



「ボス…」

充が縋る様な声で桐山を呼んだ。

桐山が充のものを支えながら、腰をゆっくりと下ろしていく。



「…っ…」

「ボスっ…」

入れたばかりなのに、そこはひどく熱かった。

強く締め付けられて、充はこみ上げる快感に思わず声を洩らした。

これほどの質量を受け入れる事は、桐山にとって負担でない筈が無い。

しかし桐山の表情は苦しげでは無く、恍惚としている様に見えた。

いつもは無表情の顔が、この時は、不思議と幸せそうに見えたのは気のせいだろうか?



衝動を堪え切れず、充は腰を突き上げた。

桐山が短く息を洩らす。



充は自分の膝の上に居る桐山の腰を、しっかりと抱きしめた。

桐山も、自分で腰を動かした。

「充…」
肩を上下させながら、桐山は充を呼んだ。

「ボス…」

充はそれに応えた。



唇を重ねた。

充が桐山のそれに手をやった。

軽く手を上下させると、桐山の内部がびくりと反応して、

更に充をきつく締め上げた。

「っふ…っ...ボス…俺…俺…もう…!」

充が桐山のものを強く扱いた。

桐山はびくんと身体を震わせた。

「みつるっ…」

その桐山の声を待っていたかの様に、充は桐山の中で限界まで上り詰めた

熱を開放した。

少し遅れて、桐山も自分の熱を解き放った。

霞みかける意識の中、桐山は、思った。

この感覚。

足りなかったものが満たされていく、この感覚。

いつもの様に一瞬のものでは無い。

この感覚を。

ずっと、

待っていた。

やはり充は自分に与えてくれた。

やはり自分の空虚を満たしてくれる存在は、

…充なのだと。




行為が済み、後始末も済ませると、桐山は何事も無かったかの様にシャツを身に
纏い、身支度を整えた。

衣服を身につけてしまうと、先ほどまであの様な事をしていたとはとても思えない程に、

桐山は落ち着いて見えた。
充の方は、桐山から誘われたとはいえ、屋上で桐山にあの様な事をしてしまった罪悪感に悩まされていたのだが。
さっきは夢中になってたけど、やっぱり俺、ボスにすげえ悪い事しちまった気がする。

「充」
「えっ…?何?ボス?」
突然声をかけられて、充の声は思わず上擦った様になる。



そこにあるのは、無表情だが、ひどく穏やかな、桐山の表情。
充の目には、その顔が、いつもより更に美しく見えた。



「今日、帰りに充の家に行ってもいいかな」
桐山の静かではあるが、よく通る声が充の耳に響いた。
「え?」

「また、この前飲んだ飲み物…カルピス、だったかな?を飲んでみたいんだが」

「あ、ああ。うん、いいよ」
充は驚いた様に桐山を見つめた。

「どうした?」

「いや…ボスの方から、俺の家来たい、って言ったの、初めてだな、って思ってさ」

「そうだったかな?」

桐山は軽く首を傾げると、僅かに目を伏せた。
充はそんな桐山を愛しく感じた。
思わず、充は桐山を抱きしめた。

「ボス…俺…ボスの事…すげえ…好きだ」

充に抱きしめられた桐山は少しの間、黙っていたが、やがて「そうか」と言い、その手を充の背中に回すと、そっと、優しく充の背中を撫でた。



桐山の返事はいつもとさして変わらず素っ気ないものだったが、充にはその後の桐山の行為に、何か温かいものが篭められている様に感じられた。

それだけで、充は、嬉しかった。

「行こうか、ボス」
「ああ」

桐山は思った。

充と二人で帰る道。

この前とはまた違う感じがする。
そして、

自分も。
変わっていく。

充と居ると。
満たされていく。

隣に居る充の方を見上げた。

充と、目が合った。
そこには眩しい位の笑顔があった。

いつか、自分も。

この様な顔を、充に向けたい。
「何?ボス。俺の顔、なんかついてる?」

「いや」



桐山の心には確実に変化が訪れていた。
充との距離が縮まっていくのに、比例して。



自分の中で、どんどん充の存在が大きくなっていくのを、

桐山は感じていた。





おわり







後書き+++すいません。
エロ過ぎてすみません。
長すぎてすいません。
オチ微妙ですみません。
更新停止してた間、実は頑張ってこれ書いてました。
一言。
Hって、難しい。
桐山が充の事好きって話書きたかったんです。
決して誘い受ボスが書きたかった訳じゃあ...
なんかもう、沼桐じゃなく桐沼って感じですみません。
充、次はもう少し男っぽく書きたいです。
もっと短くしたいですし。
そんな感じです...
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。
感想、苦情などございましたらメールでお願いします。
エロ書いたの初って事でお許しください。
では次頑張ります


テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル